宮本武蔵の『五輪書』に
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす」とある。
【鍛】とは、習熟、ものごとになれてじょうずになること。
【錬】とは、精緻なものにきたえあげる。
したがって、意味としては 千日の稽古で技を習熟し、万日の稽古でその習熟した技を精緻なまでにきたえあげる。
要するに、一つの技(技芸)を完全に自分のものとして身につけるためには、毎日の練習の積み重ねがなくてはならぬということである。
ちなみに、千日とは約3年、万日とは約27年となるが、その意味は、長時間のたとえであろうが、言い得て妙な数字である。
武蔵はこのことばに続けて、「よくよく吟味すべきものなり」とある。
