年末の大掃除をしていて、棚にあったペン立てを机の手元に移動させた。どこかへ行ったときの旅の土産として自分のために買ったものである。高さは15㎝ほどの四角い筒状のもので、欅の木目が美しく合成の漆塗りである。
正面には仙台箪笥に使われているような黒い金具がしつらえられている。こう書けば、立派なようであるが、たかが土産物である。
長い間棚の上に置いてあったため、筒の上面には厚くほこりがたまっていた。よく見ると下部の台座にもたまっていた。紙雑巾で拭き取った。なぜか雑巾には真っ黒な墨が付着してきた。黒い木目で気が付かなかったが側面のあちらこちらに墨が点在している。以前硯の横に置いていたため墨が飛んで付いたのであろう。
何枚もの紙雑巾を使いきれいに拭き取れば、新品の輝きを取り戻した。
日本には、お寺が77000寺、神社は81000社あるとのこと。大みそかには数万のお寺で除夜の鐘が撞かれ、108もある人の心の煩悩を祓ってくださり、国家安寧・世界平和を祈念されます。
年が明けると、何万とある神社では、国家安泰・国民の繁栄の祈りがおこなわれ、多くの人が参拝に行き心を浄めいろいろな願いをされます。
私たちは、意識するしないにかかわらず、正月には全国数万の神社仏閣の祈りや祈祷により穢れを浄められています。
昨年積りに積もった心のほこりは、知らず知らずのうちに祓い浄められています。新品のようになったペン立てのように心を新たにして飛躍の兎年をはじめましょう。
今年もよろしくお願いいたします。