萬葉集 第一巻 第3番歌

【読み】
やすみしし わが大君の 朝(あした)には とり撫(な)でたまひ 夕(ゆふべ)には   い縁(よ)立たしし 御執(みと)らしの 梓(あづさ)の弓の 中弭(なかはず)の 音すなり 朝猟(あさかり)に 今立たすらし 暮猟(ゆうかり)に 今立たすらし 梓の弓の 中弭の音すなり

【意味】
わが大君が、朝には手には手に取られて撫でいつくしまれ、夕べにはそのそばに寄りたたれた、ご愛用の梓の弓の中弭の音がきこえる。朝猟にいま出発なさるらしい、夕猟にいま出発なさるらしい。ご愛用の梓の弓の中弭の音が聞こえる。

中弭 の音とは、猟をする前に弓の弦をビュンビュンと鳴らすもので、猟の安全祈願のためにもの。

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